実験1
日本語版Windows2000にOffice2000日本語版とロシア語版の両方をインストールしてみる


日本語版Windows2000においてOffice2000日本語版とロシア語版の両方をインストールしてみたところメニューやダイアログののユーザインターフェスをロシア語と日本語を切り替えて使用できるようになりました。また、Word2000でチェックした限りでは、文章校正機能も日本語とロシア語が同時使用可能です。

 

1. 実験手順

実験の手順はまず日本語版Office2000に日本語版Office2000Premiumをインストールし、その後にロシア語版Office2000Professionalをインストールしました。 その際、インストールのオプションはどちらも全てデフォルトを採用しました。

2. ロシア語版Office2000インストール時に気付いたこと

通常、MicrosoftOfficeが組み込まれた状態でOfficeのインストールディスクを挿入してもセットアッププログラムは起動しないのですが、日本語版Officeがインストールされている環境でロシア語版Officeのインストールディスクを挿入するとそのセットアッププログラムが起動します。これはロシア語版のOfficeが日本語版のOfficeを別のアプリケーションと認識しているようです。

ロシア語版OfficeのCD-キーを入力する際に日本語版Windows98の環境では英語のキーボードレイアウトがインストールされていないと無理矢理ロシア語入力モードに変わっていましたがWindows2000では日本語の半角英字モードでも入力ができるようになっています。

3. 全手順完了後の環境

ロシア語版Officeのインストールを完了すると基本的には日本語版Officeにロシア語版Officeを上書きしたような形になります。ただし、上書きされる部分は一部例外を除いて日本語版とロシア語版に共通の部分のみでそれぞれに固有の部分のほとんどは別々の場所に保存されるようです。

詳細を以下に述べます。

スタートメニューには

「Officeドキュメントの新規作成」と
「Officeドキュメントを開く」

がそのまま残っていますが、これらに対応するロシア語のメニュー

「Открыть документ Office」と
「Создать документ Office」

が新たに追加されます。

ただ、これらはどちらも同じプログラムへのショートカットであるため、ロシア語のメニューでも日本語のメニューでも同じプログラムが起動します。

図1 スタートメニューに追加されたロシア語メニュー

プログラムメニューの

Microsoft Access
Microsoft Excel
Microsoft Outlook
Microsoft PowerPoint
Microsoft Word

のバルーンヘルプがロシア語に変わります。

Internet Explorer
Outlook Express

のバルーンヘルプは日本語のままです。

Microsoft FrontPage

のバルーンヘルプはこれがロシア語版OfficeProfessionalに含まれていないため日本語のままです。

図2 Microsoft Wordのロシア語バルーンヘルプ

プログラムメニューには日本語の「Microsoft Officeツール」に対応する「Средство Microsoft Office」というメニュー項目が追加されています。それぞれ対応するサブメニュー項目は以下の通りです。

Средство Microsoft Office
Microsoft Office ツール

Выбор языка Microsoft Office

Microsoft Office 言語設定

Панель Microsoft Office

Microsoft Office ショートカットバー

Средств снимков Microsoft Office

Microsoft Access Snapshot Viewer

Word2000を起動すると最後にロシア語版をインストールしたにもかかわらずメニューは日本語で表示されています。ただし、ロシア語固有のメニュー項目(「ツール」メニューに「Восстановить поврежденный текст...」)が追加されています。

図3 Word2000の日本語メニュー表示

日本語とロシア語の両方を入力してみるとどちらの文書校正機能も機能していることが確認できます。

図4 日本語とロシア語の文書校正機能

Word2000を終了させてスタートメニューの「プログラム」−「Средство Microsoft Office」−「Выбор языка Microsoft Office」を選択すると言語設定の画面が表示されます。

図5 言語設定画面(ロシア語)

ここで「Язык меню и диалоговых окон」(メニューとダイアログボックスの言語)を「японский」(日本語)から「русский」(ロシア語)に変更してボタンをクリックすると言語設定の確認ダイアログが表示されます。(図6) ここでボタンをクリックすると次にWord2000を起動したときのメニューおよびダイアログの表示がロシア語に変わります。(図7) ただ、ここで留意することはロシア語版Word2000にないメニュー(「一太郎ヘルプ」)は英語で表示されるということです。これはAccess2000、Excel2000についても同様です。Outlook2000についてはインターネット設定との関連もありチェックを行いませんでした。FrontPage2000についてはロシア語版Office2000Professionalに含まれていないため言語をロシア語に設定するとメニューおよびダイアログは英語表示となります。(FrontPage2000にロシア語版は存在しません。ロシア語版Office2000Premiumに含まれるのは英語版FrontPage2000です。)

図6 言語設定の確認ダイアログ

図7 Word2000のロシア語メニュー表示

図8 Access2000の日本語メニュー表示

図9 Access2000のロシア語メニュー表示

図10 Excel2000の日本語メニュー表示

図11 Excel2000のロシア語メニュー表示

 

「ヘルプ」の表示もメニューおよびダイアログの言語と同一のものになりますが、言語設定の画面で「Язык отображения справки」(ヘルプの表示言語)を「 (как для меню и диалогов)」(メニューおよびダイアログボックスと同じ)から「японский」(日本語)または「русский」(ロシア語)に変更することによってメニューおよびダイアログの言語とは別の言語に設定することが可能です。

図12 「ヘルプ」の言語設定

日本語版Office2000のインストールディスクをCD-ROMドライブに挿入してスタートメニューの「プログラム」-「Microsoft Office ツール」-「Microsoft Office 言語設定」を実行すると言語設定の操作を日本語でできるようになります。これ以降は「プログラム」−「Средство Microsoft Office」−「Выбор языка Microsoft Office」を実行しても言語設定の画面は日本語になります。

図13 言語設定の日本語メニューを選択

図14 言語設定画面(日本語)

日本語版Office2000Premiumにロシア語版Office2000Professionalを上書きインストールした状態では全ての日本語固有情報が保存されるわけではありません。スタートメニューの「Officeドキュメントの新規作成」または「Создать документ Office」を日本語モードで実行しても表示されるタブや参照されるテンプレートはロシア語Officeのものに変更されています。この現象を解決するには日本語Officeとロシア語Officeのインストールパスを別のものにする必要があるのかもしれません。 AccessやExcelについてもメニューとダイアログは切り替え可能であることを確認しましたが、ウィザード機能等の機能チェックも必要でしょう。 これらについては後日再実験するものといたします。 ただし、全ての機能を網羅したテストを全て弊社でできるわけではありません。 これらのチェックを行われた方がありましたら、どしどしご報告ください。

図15 新しいOfficeドキュメント作成ダイアログ(日本語モード)

今回の実験ではMicrosoftOffice2000の日本語版もロシア語版もフルバージョンを使用しましたが後でインストールするものはアップグレード版でもよいと思います。また、ロシア語版Windows2000の環境でも同様なことが可能と考えられます。


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